
武藤孝幸先生のマネースクールで学び始めて、3年が経った。米国株のオプション取引を一から教わり、デモ取引から小さな失敗も経験しながら、今は自分なりのルールで続けている。そんな僕が、受講してしばらく経ってから手に取ったのが、武藤先生の著書『高速資産形成術』だった。
順番としては、先に受講していた僕が、あとから本を読んだことになる。だからこの記事は「本を読んで入門した話」ではない。実践を先に始めていた人間が、あとから本を読んだら、思った以上に腑に落ちた——その正直な感想を書いておきたい。
目次
受講して実践していた僕が、あとから”この本”を手に取った理由
僕がマネースクールを受講し始めたのは2023年の春だった。この本『高速資産形成術』が世に出たのは、その数ヶ月あと。つまり僕にとって本書は「受講のきっかけ」ではなく、すでに講座で学んでいる内容が一冊の活字になったもの、という位置づけだった。
正直、最初は「もう講座で習ったし、わざわざ読まなくてもいいかな」と思っていた。それでも手に取ったのは、受講仲間が「読んだら頭が整理されたよ」と話していたからだ。半信半疑でページをめくり始めた。
付箋を貼ったのは、投資テクニックの話ではなかった
本書は、日本の物価上昇や老後資金といった「なぜ資産形成が必要か」から始まり、お金の稼ぎ方、投資の基礎、そして武藤先生のメソッドである米国株オプションへと進んでいく。投資手法の部分は講座で手を動かして覚えていたので、読みながら「ああ、これこれ」とうなずく程度だった。
ところが、僕が一番たくさん付箋を貼ったのは、投資テクニックの章ではなかった。終盤に置かれた「幸せにお金を使うために必要な4つの自由」——経済的自由・時間的自由・精神的自由・健康的自由、という一節だった。
お金を”増やす”ための本だと思って開いたのに、本当のゴールは”どう使い、どう自由になるか”に置かれていた。資産を増やすのは手段で、目的はその先の生き方なのだと、活字で突きつけられた気がした。50代も半ばに差しかかり、残りの時間をどう使うかを考え始めていた僕には、この一節がやけに刺さった。
たとえば、時間の自由は満員電車や残業に縛られない将来を、経済の自由はお金の不安から解放された状態を指す。そこに精神の自由、そして体が元気であってこそ得られる健康的自由まで加えて、「何のためにお金を増やすのか」を問い直す構成になっていた。手法だけを延々と語る投資本とは、明らかに一線を画していたのだ。受講していたときは目の前の取引で頭がいっぱいだったが、本を通してその先のゴールを言葉にしてもらえた感覚だった。
講座で体に染み込ませたことが、言葉で整理されていた
読み進めて気づいたのは、講座で半ば体で覚えていたことが、本ではきれいに順序立てて言葉になっている、ということだった。
たとえば「なぜ収入を給与一本に頼ってはいけないのか」という話。講座でも繰り返し聞いていたが、本書で改めて文章として読むと、自分の中でばらばらだった納得が一本の線でつながった。実践で得た感覚に、あとから理屈の裏付けが入っていく感じだ。妻に「何を勉強しているの」と聞かれたとき、この本を渡したら話が早かった、というおまけもあった。
もし受講する前に、この本”だけ”を読んでいたら?
では、受講せずにこの本だけ読んでいたら、僕は同じように実践できただろうか。正直に言うと、たぶん無理だったと思う。
本書の米国株オプションの説明は、読めば仕組みは分かる。だが、実際に注文を出し、相場が動いたときにルール通りに動けるかどうかは、まったくの別物だった。僕自身、最初は欲が出て身の丈に合わない大きなポジションを取り、相場が急変したときにこらえきれず、ルールを破って慌てて損切りしてしまったことがある。
つまり、知識と実践は順番が逆でも、結局どちらも要る。僕の場合はたまたま実践(受講)が先だったから、あとから読んだ本がすっと入ってきた。本で全体像をつかんでから実践に入る人もいるだろう。どちらが正解ということはないが、本だけで完結するものではない、というのが実感だ。
3年経って、この本を50代に勧めるか
結論から言えば、僕は勧める。これから始める人には全体像をつかむ地図として、すでに学んでいる人には復習と”答え合わせ”として、それぞれ役に立つ一冊だと思う。NISAやiDeCoの解説もあるので、NISAの次を探している人にも入りやすい。
ただし、繰り返すが本を読んだだけで資産が増えるわけではない。本書の終わりのほうに、40代から60代は若い世代のように複利の時間を味方につけにくい、だからこそ動き出す必要がある、という趣旨の言葉がある。僕がこの3年で一番実感しているのは、まさにそこだ。読んで満足するのではなく、自分の手を動かすこと。本はそのきっかけと地図にはなるが、歩くのは自分だ。
気になる方は、武藤先生の著書を一度読んでみてから、公式サイトで講座の内容を確かめてみるのもいいと思う。順番は、人それぞれでいい。
※本記事は受講生個人の体験・感想であり、特定の投資成果を保証するものではありません。投資にはリスクが伴います。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。